ブレークダンサーB.Kimoto世界ツアーに。自立が早いスイスの若者

ブログの「ご挨拶」に書いたように、海外に住む私は、新聞などでアジア人の写真など目に留まると、反射的にすぐ名前を読む。日本人かなと胸が弾む。そうでないときはがっかりする。勿論、悪い犯罪者などのときは、ホッとする。

昨日の、「20分」新聞に、片手で逆立ちして、一方の手で、開脚しているかかとを触れている最高にカッコいいポーズをしている若いアジア人の写真がでていた。ブレークダンサーだ。

「スイス人Benny Kimoto が踊りながら世界を廻る。」このような名前をみるとすぐに、彼の父親が日本人で、母親はたぶんスイス人であると確信がもてる。その通りであった。

16歳で、ブレークダンスに魅され、両親の反対を押し切り、ドイツのベルリンに行き、修行を積み、苦労を重ねてた。32歳になった今「Flying Bach]というグループを立ち上げ、世界ツアーに行くほど有名になった。

オスロの公演でインタビューに応える Benny Kimoto氏の苦労話と、バッハのクラッシック音楽に振付するようになったイワレなどが話されている。・・・・・皆さんもこのグループの名を探検すると写真が見れるでしょう。・・・・

私も子供を持つ親だから言えるが、特にこの日本人の父親の気持ちがよく分かる。16歳の息子が路上で踊るブレークダンサーになりたいと他国へ行くなど言ってきたら、やはりきっとかなり反対した事だろうと想像できる。

欧州のほとんどの国では18歳が成人となる。この年を過ぎると子供は最終的には自分の意思で道を選び、決める。しかし16歳だと、親の責任範囲にあり、それぞれの家族で約束事が決められる。

18歳以上になると、(あるいは女子の場合は恋人が出来るのでモット早く)親と別居する子供がほとんどとなる。大学は大体20才過ぎるが、私の学生も100%そうだった。最初の頃まだ親と同居する生徒を「ママホテル」から通っていると冷やかす。

それと同時に、自分で健康保険や、銀行の口座をもち独立する。25歳まで勉学中の子供を持つ親は、生活費を援助する義務がある。就学が証明されれば、今までのように子供手当てが25歳までもらえる。学費は普通の大学でスイス人学生は一年10から20万円だが、特殊な学部ではすこし高い。私の勤めていた芸術大学は、EU連盟国ドイツやオーストリアからの生徒もかなりいて、スイス人以外の学費は高く、EU連盟に入っていない、しかも物価の高いスイスでは皆苦労するようだ。・・・・その反対にEUに入っていないスイスの若者は、連盟国で勉強するときは別の不都合がある。・・・・

伝統のある寮制の私立学校は、世界中から生徒、学生が集まり信頼のある格式の高いものが多い。

ずっと前の事だが、私の子供も20歳になった時に家を出て行った。(たいていは、2から4人ぐらいのシェアアパートメントに住むことになる)生活費は子供の口座に振り込んだが、健康管理は自分でするようになったので楽になった。

こちらの親の感覚は、成人になった子供を社会に送り出すことを誇りに思う。独立させた、独立してくれたと喜ぶ。

南ヨーロッパ、つまりギリシャ、イタリア、スペインなどは、空間的な独立が一般に遅く、時には35才過ぎても母親を尊敬しすぎるのか、甘えるのかベッタリ同居する傾向があり、社会問題になっていた。・・・・・しかし今はそんなこと言っていられないようになった。家族で誰かが定職あればよいことになり、別居できず寄り集まって暮らすようになってきたらしい。・・・・・

最近、ドイツでもスイスでも経済的事情が厳しくなり、なかなか独立できない状態になってきた。ドイツ政府など、なるべく長く親と同居して、住居問題を緩和する事を推薦している。考ええてみると、親の家には大抵まだスペースがある。

私の知人は、同居をさせているが、22歳の収入のある子供から家賃と食費をちゃんともらっている。このようなことはハッキリしている。(日本人の親は一概に甘く、シンボル程度1万円もらっていると私の女友達はこっそり打ち明けてくれた。)

アメリカの話によると、不況になり、一度独立し別居していた子供が又帰ってきて一緒に暮らすようになり、さらに高齢の義理の親も家を失いやってきて、いわゆる40,50代の夫婦は厳しい状況になっている。このような3代の同居家族を「サンドイッチ家族」と言うらしい。おおらかなに暮らしてきた60代以上の親たちと子供に挟まれ、経済的な責任も持たなくてはならなくなった働き盛りの夫婦は将来の夢も縮んでくるそうだ。

欧州もそのような傾向にナルかもしれない。

しかし、成人した子供はどこに住もうと、自分ですべて責任が取れるように育てたのだからそれでいいわけだ。親にとっては子供であるが、同時に社会の人になる。そして若い彼らは、自分たちが苦しくなると、政治を変えなければならないと気づく。すべての政党には青年部もありそこで活躍することもできる。だからデモもあるし、選挙にも結構積極的に参加していくようになる。つまり親には頼れないので国を動かしていく必要性を身近に感じるからか。
(実際には親は経済力などあっても直接助けないことが多い。冷たいようだが親には親の余生があり権利であると考える)

親は、子供たちと対等の社会人として尊厳しまがら対応でき、それを楽しむことが出来る。当然ながら親が助言する事、議論することは盛んに行われることが一般的だ。孫の世話を週何回とか決めている人もあったり、親の病気で退職を早めて看護する子供もいるし、人情的なことは世界中同じといえるのではないか。

しかし、子供の独立が教育の目的で、成人になれば社会の一員になり、自分のエゴで束縛できないという感覚は、日本と多少違うところか。

ベニー・キモトさんのツアーが成功し、ご健康で活躍してくれる事願ってます。

チューリッヒ   扶美

[PR]
by swissnews | 2012-10-05 05:18 | 映画・建築・芸術・エンタメ | Comments(0)

スイスのメディアで見聞きした "JAPAN" をお伝えします


by スイスで聞く「日本」

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30

All About 掲載中

All About News Dig
Newsdigに掲載された記事
の一覧は、
こちらから

最新の記事

籠池夫妻拘束に見る日本の司法..
at 2017-11-21 17:48
スイス人写真家世界歩き・日本..
at 2017-11-18 20:13
東京五輪の予算額、過去の五輪..
at 2017-11-18 04:00
日本の国会議員の発言
at 2017-11-17 16:51
スイスの貧困家庭・最近のニュース
at 2017-11-17 00:51
初めて救急車に乗る。
at 2017-11-15 06:03
「怒りのエネルギー」を「建設..
at 2017-11-11 05:20
夫婦別性・少数派でも幸せにな..
at 2017-11-10 05:16
ヨーロッパは川旅が最高
at 2017-11-08 19:01
茶色髪に生まれた生徒に黒髪染..
at 2017-10-29 22:10

記事ランキング

ファン

カテゴリ

執筆者プロフィール
------
政治・経済・歴史
企業・労働・賃金
科学・技術・研究
原発・福島・東電
社会・福祉・医療
教育・宗教・人材
メディア・グローバリゼーション
自然・環境・災害
東北・津波・地震
観光・交通・運輸
女性・ジェンダー
映画・建築・芸術・エンタメ
生活・文化・伝統・笑い話
スポーツ
五輪
Made in Japan
竹島・尖閣・日中韓の問題
------
スイス在住日本人のつぶやき

ブログジャンル

時事・ニュース
海外生活