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スイス軍の意義、再記載

スイスはもともと貧しいアルプスの国だった。だから、もしある勢力が兵士を求めていれば、それが故郷から遠く離れたところでも雇われていったいわゆる「傭兵」の国でもあった。1000人もの男性がはるか中央アジアの地で戦い、全滅に近い悲しい出来事を受け入れなけなければならなくなった町もある。それでも「傭兵」の受身的意識からだんだんスイスの国家が輪郭をなし自国のためにと云う意識にも変わっていったのだろうと思う。
日本での今「軍」の意識が高くなっているようなのでこの記事を再記載したい。
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多くの日本人がスイスは永久中立国だから、強い軍隊があるのだろうと考えているようだ。


義務徴兵訓練があり、その後、自主希望による職業軍になる。

スイスの軍について探索が多かったので、20140316の記事をもう一度取り上げることにする。

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ナショナリズムを抑制するためスイスの徴兵制度

最近日本のメディアでも、スイス懲兵制度についての国民投票結果が報じられたようなのでこの際、簡単に書いてみる。

日本では、スイスに徴兵制があり、中立国であり、国民投票があることは知られている。

18
歳以上のスイス男性は15週間の集中軍隊訓練(女子は自由希望)が義務化されていて、その後も34歳まで年間いくばくかの軍隊入りが規制されている。(事情のある者は社会奉仕に変えられる)

スイスは200年来独自の国防制度をしいてきた。800万人の人口に、15万人の軍隊は、他の欧州国特に北欧国に匹敵するほどで、年間5億円強(2012)の国費が組まれる。

最近、この伝統的な徴兵制を維持していくかどうかの国民投票があり、70%以上の圧倒的な多数で今後も継続されることになった。皆さんはきっとスイスが軍国主義の強いナショナリズムの台頭と受け取るかもしれない。

確かに保守的には違いないが、徴兵制を維持することにより、右翼的なナショナリズムを抑制し、多民族、多様職業教育者、多様な所得者を、「一体感」のあるスイス国民意識を高めていける長所があるという意見が、国民に承認されたことになる。

もし、職業軍隊が出来たら、きっと右よりの若者や、一般的に単純職業者、地方在住者が多く希望する可能性が強く、軍の高度な機能を低下させることになるという危惧がある。知識層がこの職業を避ける。スイスには日本のように防衛大学がなく高いリーダーシップを取るのも難しくなるという危惧だ。又そのような軍隊が力を加えて政治的な勢力を増すことを恐れている。

スイスは他民族の集まりで、若い時代に無差別の集団経験を得て交じり合い、知り合うことが大事だ。現役や将来の学者や医者、経営者、IT専門家、芸術家や、農家、肉屋、靴屋、さまざまな国民が同じ訓練を共にし、しかし同時に個人の得意な分野でスイスという他国語を持つ小さな国に貢献できるという合理性を良しとしている。

実際に闘争があった場合はしかし、この軍はあまりにも量的にふそくである。性能的機能力は高いと云う。外交戦にはあまり意味を持たないと国民は思っている。だから他国と摩擦がないように親睦や良好関係に工夫をしている。

結局、スイスの軍は、対外に対するシンボル的な意義と、もっと大事な内政的な意義が強い。今後は技術的な斬新な研究がすすんでいくと思える。時々、他国の援助に参加することもある。

軍隊が、国のナショナリズムを警戒するから成り立っているとは、他の国では理解できないかもしれないが


by swissnews | 2015-10-18 20:12 | 政治・経済・歴史 | Comments(0)

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