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「太陽が落ちた日」がチューリッヒの映画館に

今日、「太陽が落ちた日」を観に行った。この映画館は小さく補助席を入れても40ぐらいだった。友達と食事をする前に確かめに行ったら、券が売り切れるから先に買うように勧められた。

結局満席になった。次の観客(日本人もかなりいた)もかなり待っていた。

広島の赤十字病院で原爆直後患者を診察していた医者と看護婦の語り映画であり、フクシマ事故と関連させた反核映画とはっきり言える。5年ぐらいかけて日本に7回訪問し製作したと読んだ。

素晴らしい映画だった。主張がハッキリして、材料やストーリーの主役が多すぎず、それぞれ率直で美しく魅力的だった。無駄がなく適当なドキュメントもちょうどよく、カメラも最高だった。日本人高齢者の美しさが際立っていた。特に同じ運命に傷つきながらも御製し先を見ながら長い間生きてきた、社会背景立場の違う二人の女性の対照的な姿にはどちらもそれぞれ心をうたれた。

この映画製作監督は、ドメーニグ・アヤさんで、母親が日本人、父親がスイス人であり、映像人類学、日本学、映画学を学んだスイス在住の女性だ。そしてこの映画は彼女の実祖父の姿を追う記録にもなっている。淡々と歌を詠むことで抽象化して運命を認容してきた彼女の実祖母の姿が鮮明だった。又身内で愛するお祖母さんの豊かな白髪の姿とセラピーでそれが失われいる姿を、カメラを通し、距離感をもってその残酷さを語ることが出来る監督は、やはり映像人類学を学んだ方だなとも思う。

ドメーニグ・アヤさんは、私が教鞭をとっていた同じ芸術大学で映画を学んだと読んだからその年代を見ると、私もまだ現役で仕事していた時だ。まあ、学部も校舎も違うわけだけど。

家に帰ってきたら、子供から電話があり、道路が急な雪でつるつるだから気をつけるように、それから「太陽が落ちた日」の映画を見に行くように勧められた。しばらくこの映画の話をした。

日本では広島で上映されたらしいが、他の都市でも多くの人が見てくれればよいなと希望する。

追・・・・日本での最近の内被爆者の様子がこちらでも話題になってきている。


by swissnews | 2016-01-18 06:05 | 映画・建築・芸術・エンタメ | Comments(0)

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by スイスで聞く「日本」

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