「怒りのエネルギー」を「建設的なエネルギー」に変えていく裁量・再記載

ノーベル物理賞を受賞したの中村修二教授が、インタビューで話した「怒りのエネルギー」について日本ではいろいろ語られているようだ。

彼の場合は具体的な法廷闘争の実例があったので、日本では、彼の怒りが今でも「白亜に連なる日本の企業システム」に向いていて「憎しみのあまり、日本を捨てたのか」などとまで書かれている。つまり「そんなにうらみ深いのか?」と感じている者もいるようだ。

私の推量では、彼の言っている「怒り」は、今では「白亜に連なる日本の企業システムにたいする批判」としては残っても「恨みではなく、そんなものにこだわる時間を惜しんで、それを超えたもっと「抽象的な怒り」となり「楽しい戦略プラン」の原動力として前向きな人生を送っていたから、この度の受賞になったのだろいうと思う。

人は、時々「怒り」や「悔しさ」を思い出すことは良いことだと思う。

自分の不能や他人に対して日常のさまざまな怒りを抱えることは誰にでもある。
その「怒り」を「勝利」に変える「戦略的なプラン」が出来る人と、「諦め」や「破壊的」なエネルギーに消耗することになる人の違いが人生を大きく変えてしまうのではないだろうか。


もう半世紀近い昔のことだが、若い中学校の女の先生が近くに住んでいた。彼女は毎日独特の工夫をしたおしゃれな服装をしていで颯爽としていたから、朝、駅で会うのが楽しみだった。

ある日彼女は突然地味なスーツを着だし、年中この同じスーツ姿であることが当たり前になった。同じ上着の下のブラウスは半そでと長袖は違うにしても知る限り徹底してたぶん2年ぐらいはこのスーツ姿で通した。

後で分かったことだが、彼女の学校の父兄におしゃれすぎると苦情され、校長にも服装のことで注意された。しかし他の同僚は誰一人味方になってはくれなかった。そのすぐ後で彼女はデパートに行きこのスーツを買ったと云うことだった。

同僚は彼女の徹底した同じスーツ姿に初めはくすくす笑ったり同情したりしていたようだが、その内に敬意を抱くようになり、父兄も一切苦情することがなくなったということだった。

彼女自身は、その時は激しい怒りで買ったスーツだが次第に愛着が出てきたし、おしゃれをするための費用を貯金しそれが楽しみになり、怒りは消えていったと語った。しかしその時決心した計画を実行した。

都会の中学に移るため勉強し直し、試験を受け転職していった。その中学校では彼女を惜しんだということだ。

彼女はきっとあの時の「悔しさ」や「怒り」を「建設的な戦略」に変えて成功した。その経験は貴重なものになっただろう。

「怒り」を先導し、「破壊」に導こうとする同僚もいるかもしれないので、自分で考える力がやっぱり大事になるのだと思われる。

今回の中村氏の受賞インタビューを聞いて、日本にいたときの遠い昔のさわやかでしかも強い女性を思い出した。

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by swissnews | 2017-11-11 05:20 | 教育・宗教・人材 | Comments(0)

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