安藤忠雄の一時間ドキュメントがスイステレビに

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スイス第一国営テレビSF1で毎日曜日の10時から13時まで「Sternstunde」と言う番組があり、20から21世紀を動かしてきた世界的に名を残す仕事をしてきた、宗教家、哲学者、芸術家、科学者などのドキュメント映画か、あるいは直接のインタビューが行われる。それぞれ一時間の大きな専門的なビデオ製作になる。

「来週は日本の世界的建築家Tadao Andoの偉業について報道」と先週から予告があったので、それを見るために10日は家にいることにした。日本人がテーマになることはまったく珍しいからだ。

このプログラムはスイスとドイツの共同製作らしく、有名なドキュメント映画監督MathiasFrickが手がけた。

最初に安藤忠雄に影響を受けた3,4人の欧州の芸術家や、美術館長のそれぞれの感慨深い短い言葉があった。(後で詳しく彼の仕事を具体的に説明してくれるのだったが)

その後大阪にある彼の現在の仕事場の様子が映った。そこで一緒に仕事し学ぶ数十人の若い学生とのやり取りなどが映った。キビキビした秩序ある師弟関係で能率的に機能しているような印象を受けた。「仕事の結果だけでなく、過程が面白くなければならない。そのためにはスタッフが多すぎてもだめだ」と安藤氏は語っていた。そして具体的にひとつの発想を図面にしていく過程が映った。

彼は大阪で生まれ育ち大阪との関係は彼の人生にとって大事な要素になる。世界的に知名な「光の教会」も大阪にある。「この箱ような教会に差し込んでくるわずかな光でも、さまざまな形や変化がみられる。同じ箱の中にいる人もさまざまな受け取り方をする。みな違う。(しかし共存できる。)」と言うような意向だったように理解できた。

初期の作品で神戸の海岸にある4つ並んでいる個人の家が映った。一部の階が飛び出し、一見不安定に見える奇妙なものだ。近くの海で働く日本人のおじいさんが「こんな変わったものをこしらえるのは、どうせ外人さんだと思うが・・」と語っていた。(現代ではこのような建築はあちこちみられるが、その当時は奇抜すぎたようと思う)

安藤氏のインタビュウで、彼が建築家になるきっかけを語っていた。子供時代に実家が(小さな)家を改築して2階建てにしたりいろいろ手をくわえた。そのときの大工さんのすること興味深く観察して面白いと思った。その後、設計事務者や、建築現場で、学べるものはすべて学びあちこち短期にアルバイトした。図書館などで独学し、設計士、建築士の資格をとる。・・・・・--彼は大学で勉強しなかったが、後にハーバードや、コロンビア、東京大学で教授するようになる・・・

(後で調べた事で、この報道と関係ないが、彼はこのアルバイトでためたお金で、4年間もの間、世界中の大陸を旅行し、最後にマルセイユから船でインドに渡り、生も死も隣り合わせに共存するガンジス川で水浴びする人々に感銘し、勇気をえる。私が日本を出た少し前の時代だったが、このように海外に飛び出す若者は当時多かった。若者は荒野を目指せ!)

その後、彼は29歳で自分の設計事務所を建てる。

彼の仕事場にある、ボクシングの手袋の話も紹介された。彼は「試合をしているときの厳しさ真剣さは、建築と似ている。誰も助けてはくれない緊張感がある」からだと言っていた。

世界に散らばるいろいろな彼の作品が紹介されたが、特に有名なNeussにある(ドイツ、ヂュッセルドルフの近く)「Stiftung Langen」美術館やイタリアの2,3の博物館などだった。

彼の作品にはコンクリートの単純な線が多いが、彼のコンクリートは硬いと言うイメージとやわらかさが特徴で、日本人の本来の自然(木や花、水など)に対する特殊な感覚とスキルがマッチしていると、解説があった。

彼の妥協のない強情なまでのスタイルや、新しい現代の建築の意義の変化などにも語られた。彼は「現代の建築はビジネス的要素が多いし、ストレスが多く50代でやめる人が多くなっている。自分は自分流にやっていって仕事がなくなったらやめるだけ」

イタリアミラノの講堂で(教会だったかも)満席の参加者を前に講演する安藤忠雄氏の様子を入れるが、テレビを見ながらメモし、写真を写すのは大変で、まったく恥ずかしい写真しか取れなかったがだが雰囲気だけでもと思って入れた。

この番組に取り上げられる日本人がこれからもたくさんいてほしいと望みながら・・・・・・
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・・・ここに書いた直接会話は、ドイツ語で聞いたもので、安藤氏が語った日本語の言葉そのものではない。

チューリッヒ  扶美

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by swissnews | 2013-02-12 18:56 | 映画・建築・芸術・エンタメ | Comments(0)

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