「クール」と呼ばれた日本のポップも、クールという言葉も「クール」でなくなる時は必ずくる。

こちらで日本から来る旅行者などを相手にした観光関係で仕事をしている日本人がたくさんいる。

彼女たちから聞いた話だが、日本人旅行者が写真を取るとき今でもニッコリして指をV字に広げピースサインにすることが多いといった。このようなサインをするのは最近では日本人だけだろうということだった。平和行進など以外では欧州ではほとんどみられない。プライベートに使うことはもう流行おくれだからだ。(日本人はこのサインが何なのか知っているのだろうか)

ある意味ではこのようなことは日本人の良いところとも言える。海外から来た流行や文化を忠実に守り、飽きずに続けていく根気強さだ。お茶にしろ、禅にしろ、食文化にしろしっかりと発展させてきたからだ。

「クールジャパン」という運動があり、日本のポップパワーを発信する産業が政府発で、税金500だか5000億円?を投資するビジネスにするらしい。今日、アゴラ言語プラットフォームで山口巌氏の書いた「日本のポップパワー発信10策に税金を使うの?」というのを読んだ。まったくその通りだと共感する。

この、「クールジャパン」という言葉は私の知る限りまだこちらのメディアでは記事としては読んでいない。だからこれから書くのはまったく私個人の見解だ。

第一に・・・「見て、見て。私はこんなにクールでしょ!日本はこんなにクールよ!」長い間こちらの創作芸術家として文化の流れに敏感な世界で仕事をしてきたが、このように自分のことにクールという言葉をこのように使った人を聞いたことはない。他人が感想として「なかなかクールだ!」というように使うことが多い。だからこのようなクールジャパンビジネスがスイスに来たらなんとなく気恥ずかしくなるのは私だけだろうか。

第二に・・・・ポップパワーという文化は、どこの国でも大きな体制に対して「反逆的」「風刺的」「傾いた」「斬新な」な必要性から生まれてきたサブカルチャのようなものだ

歌舞伎だって最初は既成の芝居に対して「傾いた大げさなもの」というところからなずけられたと聞いた。そのような「反体制的」魅力がアルから共鳴者もある。例えば「カンナムスタイル」は、その地方社会を皮肉に歌った政治的なものもあるから注目されたのだといえる。それを政府が取り上げて売りに出すのが不思議だ。その時点で魅力を失いただの国の芸能になってしまう。

第三に・・・ポップアートの最高潮は長持ちしないのが魅力でもある。次々生まれてくる。それがいいのだ。「歌舞伎のように大きな形というか伝統になってしまってはポップとはいえないのではないか。アニメも今はれっきとした映画芸術で、日本のアニメは世界の草分けになり偉大な成果を挙げてきた。これは世界的な評価であるしいまさら政府が売る出す事もない。新しい時代のアニメを作り出す若者を援助して育てることにお金を使うべきと思う。良いものはかならす成功する。新しいアニメは他国がもっと強くなってきている。それに国際的な共同制作が多くすでにグローバル化している。

第4に。。。日本のポップ歌謡は多数のグループのマスゲーム的な傾向に近く、インドの映画の背景にでてくる舞踊団に近くなる。アジアでは人気があっても、欧州のポップアートは個人や小グループの一人ひとりの個性や主張が大事だ。アートは個人発信が基本。前にスイスの電子オンライン新聞に日本のA-女性グループがが動画で紹介されていたが、そこにでていたコメントはかなり厳しいものがおおかった。欧州人は、このような完璧集団ゲームとか、子供っぽさをクスクス笑うときが多いようだ。勿論面白いと思った人もたくさいた。モット大胆な個人の主張のあるポップがでてくればすばらしいなと。

第五に。。。スイスではもうすでに日本の緑茶の粉のお菓子や、お弁当など人気のあるものは個人の産業として成り立っている。いまさら政府が国民の貴重なお金を投資して売り出す必要が本当にあるのか。今まで個人の力で進出して来た努力が有利になればいいのだが。むしろ国に摂取されるのではないかと不安にナル。

第六に・・・・本当に海外の目に留まる良いポップアートは、グローバルな世の中、すぐに世界中広がっているはずだ。あるいは誰かか見つけ紹介していく。海外で活躍してる日本人アーティストはすでに独立しているから「クールジャパン」の後押ししてもらわなくても良いようだ。(してほしい人も無論いるだろう)キャラクターや、「おしん」に感激する海外の人は数多くいるようだが、そんなものはひとりでに発展していく。

第7・・・・日本国家としての「創造力の行き止まり」を意味するとも言えると私は思う。政府のお墨付きでなくとも例えばイギリス、アメリカでもたけのこのように新しいポップアートが生まれてくる。そして良いものはたちまち広がる。それは出る釘を生かす国民性があるからだ。


日本の政府は、多様性を認める気風を抹殺しているのに、苦労して作り上げたクリエーターの若者の「創造産業」を取り上げ、あたかも国が「創造」したかのようにふるまい、又平均化して殺してしまう。利益もどこに行くのやら。


いづれにしろ、「クール」という言葉そのものが「クール」でなくなる時が近くくるに違いない。「スーパー」という言葉だって昔流行った。しかし、どうせ日本の国が「クールジャパン」として世界に売り出すのなら早いほうが良い。色あせたV字サインをするように、時代に後れにならないほうがいいからだ。

チューリッヒ   フミ

[PR]
by swissnews | 2013-04-12 07:58 | 生活・文化・伝統・笑い話 | Comments(1)
Commented by ライエル at 2013-04-13 22:00 x
久しぶりです。鳥取県で農業始めてますが、春からは忙しくなり、今年はトマト、枝豆などの種まきなどです。農薬化学肥料無しなので、手間はかかるが、やりがいを感じて、楽しんでやるとこから始めてます。日本は、多数派から見て明らかに異質な人間には冷酷である傾向が強いと僕も感じます。僕が農業やるときも公務員勤めの身内は『周りが農薬まいてて1人が違うやり方なのはどうか』って反発されたし、勿論口論、身内には農業の世界を知らない人が多いし、あまりにも農薬蒔くのを推進するなら、自分でやったらいいし、あとで取り返しのつかないことになれば手遅れで、僕も後になればその分年を取るし責任持てませんってはっきり言いました。

スイスのメディアで見聞きした "JAPAN" をお伝えします


by スイスで聞く「日本」

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

All About 掲載中

All About News Dig
Newsdigに掲載された記事
の一覧は、
こちらから

最新の記事

自分の愛や性を基本的人権の基..
at 2018-08-15 16:48
TWで見つけた。私も日本が怖い。
at 2018-08-14 04:26
チューリッヒ恒例のストリート..
at 2018-08-12 20:43
沖縄翁長知事が亡くなった。ス..
at 2018-08-09 00:20
今年も広島の日・ドイツ語国ニ..
at 2018-08-07 03:33
東京歯科大学女性差別問題・私..
at 2018-08-03 01:03
欧州熱波と収穫・今日はスイス..
at 2018-08-01 19:09
ドイツ語テレビ番組はクライム..
at 2018-07-31 21:04
LGBT-欧州ではなぜ同性愛..
at 2018-07-28 02:06
杉田水脈発言だけでない・基本..
at 2018-07-26 04:08

記事ランキング

ファン

カテゴリ

執筆者プロフィール
------
政治・経済・歴史
企業・労働・賃金
科学・技術・研究
原発・福島・東電
社会・福祉・医療
教育・宗教・人材
メディア・グローバリゼーション
自然・環境・災害
東北・津波・地震
観光・交通・運輸
女性・ジェンダー
映画・建築・芸術・エンタメ
生活・文化・伝統・笑い話
スポーツ
五輪
Made in Japan
竹島・尖閣・日中韓の問題
------
スイス在住日本人のつぶやき

ブログジャンル

時事・ニュース
海外生活