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場所と状況によって異なる「セクハラ」認識・日本と欧州

先進国に間でも「セクハラ」の認識がずいぶん違う。更に同じ国内でも、又同じ言葉でも「セクハラ」になる場合とならない場合があるという事だ。こちらで話題になった例を挙げると、例えば、上司や同僚男性が、

「君、今日のシャンプーいいにおいだな」と匂いをかぐ。「君のズボントッポイぞ!」とズボンを見る。
このようなせりふを、狭いエレベーターの中でごく近くで言った場合は、「セクハラ」と訴えられても仕方がない。

しかし同じせりふを、大勢がいるディスコパーティーで、踊りながら言った場合は、「セクハラ」にはならないのではないかという内容で、議論しているところだった。

又、日本と欧米の感覚ももちろん違う。

数年前、日本のテレビ番組で、アメリカ在住で、世界的に活躍している日本人女性企業家をゲストに迎えた真面目な番組を見た。上品な男性アナウンサーが彼女を迎え挨拶をした。

「OOさん、世界中を駆け回りご活躍なさっているのに、ずいぶんお若く、お綺麗でいらっしゃいますね。何か秘訣でもあるなら教えていただきたいものです。」(笑い)OOさんの顔をつくづく眺め感心する表情をする。

このような会話は、日本では当たり前なのかもしれないし、女性をゲストにした場合は女性の容姿をまず褒めなければならない習慣があるのかもしれない。

もし女性アナウンサーで男性ゲストの場合も「OOさん、お若いですね。何か秘訣を教えてくださいね」とか挨拶するのかもしれない。

しかし、ちらでは、このようなことははっきり「容姿に触れた。」「きれいかどうかは個人的な評価と興味」「ゲストとしての内容には関係ないプライベートなことに触れた」「グローバル活躍女性は綺麗では意外なのか。職業格差別」といわれるような「セクハラ」と判断される。それにテレビ報道の公の場でのことでもあるからだ。

同じ会話でもテレビ撮影の後で、アナウンサーとゲストが一緒に意気投合して、砕けた個人的な場で「それにしてもお若く綺麗ですね」とか言うのなら、又少し違ってくる。状況の違いによる判断だ。

もうひとつ思いだしたことがある。成田航空のトイレットで手を洗っていた金髪の15歳前後の白人少女のすぐ後ろに、3人の制服を着た日本人高校生がぴったりくっつき、日本語で「本物の金髪ってこんなにきれいなんだ。うらやましい。わー綺麗ねー。ちょっと目の色見て!」とかいって、30cmほどの距離まで近づき、鏡に顔を近づけ、手で金髪を触りたそうなしぐささえしていた。

この少女は、日本語が分からないし、怒りと戸惑いで泣きそうな顔をしていた。私は自分の認識していた高校生の印象があまり違うので、日本語でも、英語でも中に入るのは少し危険さえ感じた。だから白人少女のすぐ横に並び、鏡越しに笑顔をし、彼女に安心感を与える事しかできなかった。そして、どっちかが出て行くまでただ見守ることにした。白人の少女が出て行った後、高校生も笑いながら後について行った。

これはこちらでは、同姓同士でも、内容が「悪気の無い憧れ」であったとしても、完全に「嫌がらせ」「セクハラ」に入ると判断される行為になるだろう。身体的に近すぎる「失礼」な行為になるのだ。日本語が通じないのを知っていて不安を与えた卑怯なセクハラといいたい。褒めるなら英語ですればいい。

日本では、欧州に比べて、「女性に対する暴力やセクハラ」は統計的に見ると圧倒的に少ない良い平和な国だ。

最近の女性暴力に対する欧州の統計では、一見平和そうに見え最高に現代的でオープンに見えるデンマークが最高で、北欧が高く、逆に保守的な南欧州の国々は少なかった。これは、自分が「セクハラ」を受けているという意識の違いにもよるし、届け出る意識の違いにもよると説明があった。

日本では将来のオリンピック招待国なので、海外のお客も多くなる。だから日本では「海外では失礼にあたるセクハラの意識」も、「おもてなし」のひとつとして知っておいたほうがいいのではないだろうか。


by swissnews | 2014-04-17 17:35 | 生活・文化・伝統・笑い話 | Comments(0)

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