ユーロビジョン髭美人が優勝・大きな意義
おとといのユーロビジョン(ヨーロッパ歌謡コンテスト)は、60年近い歴史がある。現在はヨーロッパの範囲も少しずつ広がり、ロシアからイスラエルもこのコンテストには参加できる。
毎年大掛かりになり、参加国が多く、近年来予選制になってきた。プロの歌手が多く前評判はその筋で大きな話題になっている。
さて今年はオーストリアのContita Wurst・コンチッタ・ウルストさんが2位オランダ、3位スエーデンを大きく離し優勝した。(スイスは13位)
コンチッタさんは、本名トーマス・ニューワースと男性として育ったが、子供の頃から女性の服装が好きだった。学校時代はいじめなどにあい辛い生活をした。(彼女が公にしたことなので書くが、男子トイレに行くといじめられるので、休憩中は行かず授業中に一人だけ行かせて貰ったとか)彼のおばあちゃんが慰めてくれる人だったらしい。(今回の衣裳選びも、おばあちゃんの助言で、一緒に買い物に行く映像があった)
数年前に、男性として国内の歌謡コンクールに参加しかなり成功を得た。しかし、どっち道ゲイならそれを武器にと、さらに新しい名で再起を果たした。彼はしかし、手術などして性を変えようとはしていない生まれたままの自然(標準的でなくても)の体と人格を持ち、日常は男性トムとして暮らすとあった。
このコンチッタという名は、キューバ人のガールフレンドだった名を貰い(女性の性的な意味もあるらしい)苗字はWurstウルストとした。この意味はドイツ語、(オーストリアもドイツ語が母国語)で、ソーセージと言う意味であるが、日常的には、時々「あ!そんなことどっちだっていいさ。まったく些細な事だ。」と、云う「気にしない・気にしない」とも言う感じで使われる。この名を聞いた時、ドイツ語が分かる人はギョッとしただろう。しかし次の瞬間「面白い」と笑ってしまうことになるだろう。「ふざけすぎ」と思う人もいるだろう。
このキャラクターも名前も「人工的」なものであっても、ひとつの生き延びる戦略であし、好きな事なのだ。彼女の様相や名は「女装・髭・両性・どっちだってかまわないじゃないか。どこの生まれでもかまわないではないか」と言うメッセージで、たちまちセンセーションを巻き起こした。結局彼は自分の歌手としての才能を女性のコンチッタになって歌う事で、多くの人のために何かできる。世間を動かしていける。それは自分にも、被性差別者にとっても良いことになる。と考えたのだろう。議論を提供するだけでも成功になるのだ。
オーストリアは、保守的な国としてのイメージが多く大きく抵抗があったが、国の代表になった。しかし、ユーロビジョン参加では、ロシアをはじめ4カ国カから、「参加失格にせよ」と言う署名運動が起き上がりかなりの票が集められた。今でも彼女の優勝に抗議がある。「ヨーロッパはこれで終わった」とかだ。
参加歌手の中にもネガティブな表明をした人がいて、逆に人気を落とした。
準決勝のあたりから、ドイツメディアなどは彼女の優勝が囁かれるようになっていて、その通りになった。
彼女の声量や表現力と歌唱の実力は圧倒的だったし、ハッキリした政治的メッセージは多くの視聴者の票を得た。
そして彼は歌手としてだけでなく、政治的な意味でも今の欧州や世界の「寛容」のシンボルとして大事な役割を持つことになるだろう。
記者会見でロシアのプーチンに何か言いたい事はと言う質問に、「観ていないかも知れないが、我々のような(性的寛容主義に対する生き方は)もうストップ(力で)することはできないことがわかっただろう」と言うようなことを答えた。
オーストリアでは、反対者もたくさんいたにもかかわらず、飛行場ではものすごい歓迎で、「オーストリアの英雄」みたいな人気者になったようだ。
毎日、胸が痛くなるような悲惨な混沌が続く中、このような「人権・寛容」が高く評価されるヨーロッパはやっぱりいいなとつくづく思った。
「髭の女性」は一見びっくりさせられ、違和感を持つ。でもそれは単なる見慣れないからおこるもので、見慣れればなんとも思わなくなる。勿論絶対に嫌いな人もいるだろう。彼は自分の髭面を好きになってくれといっているのではなく、「認めてくれ」といっているだけだ。それだけでいいではないか。かの女を非常にセクシーだと思う人も、あるいは「かわいい」と思う人だっているだろうが、それはそれぞれのことになる。
何でも最初は「勇気のいる事」である。彼を応援してきた身近な人たちも勇気がある。いつか将来、「髭」がなくなることもあるかもしれない。
Contita Wurst と探索すれば彼女の歌が聴けるはずだ。髭の無い顔も見れる。
髭の女性・男性は昔からあった。面白い写真が
・・・・・・・・・・・・・・こちら・・・・・・・・・・・
もうひとつ付け足したい事は、参加国のフランスを除いたほとんど歌手が「英語」で歌っていたのと、インタビューでは当然英語でされることだ。ヨーロッパは英語なしには「何かになる事」は出来ない。コンチッタも勿論。
今、新聞でよんだらレディ・ガガも電話してきて、コンチッタを祝ったそうだ。
このコンクールの審判はプロと視聴者だが、それぞれの国に持ち点があり、どこの国がどこの国に点数を入れたか分かる仕組みになっている。彼女は多くの国の最高点を貰ったし、ロシアからも5点貰っている。そのことを彼女自身が希望として捕らえている。
「我々のWurst・ソーセージは最高!」オーストリア紙
fm
毎年大掛かりになり、参加国が多く、近年来予選制になってきた。プロの歌手が多く前評判はその筋で大きな話題になっている。
さて今年はオーストリアのContita Wurst・コンチッタ・ウルストさんが2位オランダ、3位スエーデンを大きく離し優勝した。(スイスは13位)
コンチッタさんは、本名トーマス・ニューワースと男性として育ったが、子供の頃から女性の服装が好きだった。学校時代はいじめなどにあい辛い生活をした。(彼女が公にしたことなので書くが、男子トイレに行くといじめられるので、休憩中は行かず授業中に一人だけ行かせて貰ったとか)彼のおばあちゃんが慰めてくれる人だったらしい。(今回の衣裳選びも、おばあちゃんの助言で、一緒に買い物に行く映像があった)
数年前に、男性として国内の歌謡コンクールに参加しかなり成功を得た。しかし、どっち道ゲイならそれを武器にと、さらに新しい名で再起を果たした。彼はしかし、手術などして性を変えようとはしていない生まれたままの自然(標準的でなくても)の体と人格を持ち、日常は男性トムとして暮らすとあった。
このコンチッタという名は、キューバ人のガールフレンドだった名を貰い(女性の性的な意味もあるらしい)苗字はWurstウルストとした。この意味はドイツ語、(オーストリアもドイツ語が母国語)で、ソーセージと言う意味であるが、日常的には、時々「あ!そんなことどっちだっていいさ。まったく些細な事だ。」と、云う「気にしない・気にしない」とも言う感じで使われる。この名を聞いた時、ドイツ語が分かる人はギョッとしただろう。しかし次の瞬間「面白い」と笑ってしまうことになるだろう。「ふざけすぎ」と思う人もいるだろう。
このキャラクターも名前も「人工的」なものであっても、ひとつの生き延びる戦略であし、好きな事なのだ。彼女の様相や名は「女装・髭・両性・どっちだってかまわないじゃないか。どこの生まれでもかまわないではないか」と言うメッセージで、たちまちセンセーションを巻き起こした。結局彼は自分の歌手としての才能を女性のコンチッタになって歌う事で、多くの人のために何かできる。世間を動かしていける。それは自分にも、被性差別者にとっても良いことになる。と考えたのだろう。議論を提供するだけでも成功になるのだ。
オーストリアは、保守的な国としてのイメージが多く大きく抵抗があったが、国の代表になった。しかし、ユーロビジョン参加では、ロシアをはじめ4カ国カから、「参加失格にせよ」と言う署名運動が起き上がりかなりの票が集められた。今でも彼女の優勝に抗議がある。「ヨーロッパはこれで終わった」とかだ。
参加歌手の中にもネガティブな表明をした人がいて、逆に人気を落とした。
準決勝のあたりから、ドイツメディアなどは彼女の優勝が囁かれるようになっていて、その通りになった。
彼女の声量や表現力と歌唱の実力は圧倒的だったし、ハッキリした政治的メッセージは多くの視聴者の票を得た。
そして彼は歌手としてだけでなく、政治的な意味でも今の欧州や世界の「寛容」のシンボルとして大事な役割を持つことになるだろう。
記者会見でロシアのプーチンに何か言いたい事はと言う質問に、「観ていないかも知れないが、我々のような(性的寛容主義に対する生き方は)もうストップ(力で)することはできないことがわかっただろう」と言うようなことを答えた。
オーストリアでは、反対者もたくさんいたにもかかわらず、飛行場ではものすごい歓迎で、「オーストリアの英雄」みたいな人気者になったようだ。
毎日、胸が痛くなるような悲惨な混沌が続く中、このような「人権・寛容」が高く評価されるヨーロッパはやっぱりいいなとつくづく思った。
「髭の女性」は一見びっくりさせられ、違和感を持つ。でもそれは単なる見慣れないからおこるもので、見慣れればなんとも思わなくなる。勿論絶対に嫌いな人もいるだろう。彼は自分の髭面を好きになってくれといっているのではなく、「認めてくれ」といっているだけだ。それだけでいいではないか。かの女を非常にセクシーだと思う人も、あるいは「かわいい」と思う人だっているだろうが、それはそれぞれのことになる。
何でも最初は「勇気のいる事」である。彼を応援してきた身近な人たちも勇気がある。いつか将来、「髭」がなくなることもあるかもしれない。
Contita Wurst と探索すれば彼女の歌が聴けるはずだ。髭の無い顔も見れる。
髭の女性・男性は昔からあった。面白い写真が
・・・・・・・・・・・・・・こちら・・・・・・・・・・・
もうひとつ付け足したい事は、参加国のフランスを除いたほとんど歌手が「英語」で歌っていたのと、インタビューでは当然英語でされることだ。ヨーロッパは英語なしには「何かになる事」は出来ない。コンチッタも勿論。
今、新聞でよんだらレディ・ガガも電話してきて、コンチッタを祝ったそうだ。
このコンクールの審判はプロと視聴者だが、それぞれの国に持ち点があり、どこの国がどこの国に点数を入れたか分かる仕組みになっている。彼女は多くの国の最高点を貰ったし、ロシアからも5点貰っている。そのことを彼女自身が希望として捕らえている。
「我々のWurst・ソーセージは最高!」オーストリア紙
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by swissnews
| 2014-05-12 14:19
| 映画・建築・芸術・エンタメ
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